ナノ型nEF摂取によるTregを介したマウスDDS腸炎の症状緩和

免疫細胞は体の状態に合わせて免疫のはたらきを強める、または抑えることでバランスを調整しています。
 ナノ型乳酸菌nEF投与による腸炎症状改善効果(腸の炎症症状の軽減効果)とそのメカニズムをDSS(硫酸デキストランナトリウム)腸炎モデルを用いて検証しました。

(試験方法)
マウス30匹を10匹ずつの3群(C/ L/ H)に分け、ナノ型乳酸菌nEFを16日間継続して強制経口投与で行う。投与開始から10日目にDSSの飲水給与を開始し、5日間DSS(1.5%濃度)を投与する。16日目に剖検し、各群のTreg細胞に関与するサイトカインの遺伝子発現解析を行った。

Treg細胞の検証、及び病理学的検査

回腸パイエル板(iPP)および腸間膜リンパ節(MLN)リンパ球中の制御性T細胞であるTreg細胞割合の変化を検証したところ、Treg細胞の割合が高値化しました。
 DSS腸炎発症マウスにナノ型乳酸菌nEFをあらかじめ投与しておくことで、DSS腸炎発症を予防できることが確認できました。
・供試動物
C57BL/6系雌性マウス 30匹(n=10)
・試験群
 ①生理食塩水投与対照群
  (無投与対照 C群)
 ②nEF 2mg/kg B.W/day 投与群
  (低用量 L群)
 ③nEF 10mg/kg B.W/day 投与群
  (高用量 H群)

結腸の病理写真

対照群とnEF高用量群間に有意差を認めました。

ナノ型乳酸菌nEFの腸炎予防の作用機序は、Treg細胞の割合が高値化し、Th17細胞割合が減少することによるものと示唆されます。

第70回日本栄養・食糧学会大会にて発表(2016年5月13日 於:神戸)